し、企業に持続可能な社会づくりへの貢献を求める声が世界規模で高まり続けています。こうした社会からの期待や要請を踏まえ、重要課題を11項目から6項目に集約するとともに、「2030年のありたい姿」やKPIを見直し、2025年3月に公表しました。P.35 なかでも軸となるのが、資源の安定確保と有効活用による「1.非鉄金属の安定供給とサーキュラーエコノミーへの貢献」と、世界的な課題である温暖化に対応するための「2.カーボンニュートラル社会への貢献」の2項目であり、これらは当社グループが社会に提供できる価値を示したものと言えるでしょう。これらに続く「3.地球環境保全」「4.人的資本経営」「5.地域社会との共存共栄」「6.サプライチェーンマネジメント」の4項目は、前述2項目の実現に向けた取り組みを推進する上での基盤となるものです。特に「人的資本経営」は、すべての基盤であり、人材の確保・育成・活用の推進にこれまで以上に力を入れていきます。これらの課題にグループ一丸となって注力することで、社会からの期待と要請にお応えしていく所存です。当社グループが長年彼らから信頼されてきた背景には、住友の事業精神に基づく事業運営の姿勢と、永い歴史で培われた金属に関する高度な知見と技術があります。こうした信頼の積み重ねが、当社グループの大きな強みです。 このビジョンの根底には、ものづくり企業としての使命と社会的責任があります。「世界の非鉄リーダー」を目指すことは、当社グループの成長だけでなく、社会の発展や人々の暮らしに貢献するための確かな道筋であると考えています。長期ビジョンの実現に向けた重要課題を見直し6つに集約した重要課題への 取り組みを通じて社会的要請に応えていく 当社グループでは、2020年3月、長期ビジョンの達成に向けて取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を定め、それぞれの課題について「2030年のありたい姿」と、その実現度合いを測定するKPIを設定・公表しました。 それからの数年間で社会生活や社会環境は大きく変化長期ビジョン:「世界の非鉄リーダー」を目指す海外非鉄メジャーと協調関係を築き、 社会に欠かせない 非鉄金属の安定供給を実現 当社グループが掲げる「世界の非鉄リーダー」という長期ビジョンは、単に生産量や収益を大きくするだけでは実現できません。グローバルに存在感を発揮し、卓越した技術や独自のビジネスモデルを磨き、安定した利益を上げること、さらには社会課題にも真■に向き合う姿勢が求められ、いきいきと働く従業員によって、これらが実現されます。この長期ビジョンは、時代や環境が変化しても、変わることなく私たちが目指し続ける姿です。 私たちには銅やニッケルといった社会に不可欠な非鉄金属を安定的に供給する使命があります。しかし、世界では鉱山開発の難易度は高まる一方で、資源獲得競争は激化しています。こうした状況下で安定供給を維持するには、海外の非鉄メジャーからビジネスパートナーとして信頼され、グローバルに協調して資源を獲得していくことが必要です。27トップメッセージ社会の要請に応え、非鉄金属の安定供給という責務を果たす「世界の非鉄リーダー」を目指す意義は何か?A.1Q.1
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