統合報告書2025_和文
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「21中計」から「中計27」へ足元の課題克服と並行し、 長期的な目線で企業価値の向上に取り組む厳しい環境下で収益力を高め、持続的な成長と企業価値向上を実現していく新たにスタートする中期経営計画2027のねらいは? A.227期間を通して続くものと想定しています。そういった中で、まずは21中計で手掛けた資源事業の大型プロジェクトを早期に戦力化して、しっかりと地盤固めを行います。供給過多で価格の上値が重いニッケルの製錬については、日向製錬所でのニッケルマット生産や硫黄の自社内リサイクル 2021年中期経営計画(21中計:2022〜2024年度)では、主要戦略として「1.企業価値拡大―大型プロジェクトの推進」「2.コアビジネスの持続可能性向上」「3.社会環境変化への適応」「4.経営基盤強化」という「4つの挑戦」を掲げました。 私は計画の最終年度にあたる2024年6月に代表取締役社長に就任し、まさに総仕上げのつもりで取り組んできました。やるべきことはやりきったという手応えはあるものの、結果としては決して満足のいくものではありませんでした。特に経営基盤である安全成績が目標未達に終わり、業績面では電池材料事業やフィリピンの製錬子会社コーラルベイニッケル社(CBNC)の減損が響いて前期比で大幅減益となりました。世界経済・当社事業環境ともにかつてないほど大きな変化が起きており、足元の当社グループの稼ぐ力は低下し収益基盤が大きく揺らいでいると認識しています。 21中計の3カ年における成果と課題を踏まえて新たにスタートした中期経営計画2027(中計27:2025〜2027年度)のテーマは「事業環境変化への対処」と「次の成長への準備」です。 足元の“向かい風”とも言える厳しい事業環境は、中計挑戦1■ 電池材料(正極材)生産能力増強■ ケブラダ・ブランカ(QB)2プロジェクト■ コテ金開発プロジェクト■ ポマラプロジェクト[検討中止]挑戦3■ GHG(温室効果ガス)排出量削減■ カーボンニュートラルに貢献する製品・新技術・プロセスの開発推進■ デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応■ 人材確保・育成・活用への取り組み挑戦2■ 3事業連携(ニッケルー電池)のバリューチェーン強化■ 菱刈鉱山のサステナビリティ重視の操業への転換■ 銅製錬事業の競争力強化■ 機能性材料事業の拡大戦略挑戦4■ 安全への取り組みの強化■ サステナビリティ施策の推進加速■ コーポレートガバナンス21中計「4つの挑戦」コアビジネスの持続可能性向上28トップメッセージ企業価値拡大―大型プロジェクトの推進社会環境への適応経営基盤強化Q.2

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