コテ金開発プロジェクトでは、2024年3月末に生産を開始した後、8月には選鉱処理量の連続30日間の平均値が設計値の60%を超え、商業生産に移行しました。この間5月には、パートナーのアイアムゴールド社とともにカナダ日本国大使、地元コミュニティ代表者を鉱山サイトに迎えて開山式が執り行われました。本プロジェクトもまたフル生産体制の確立を目指し、操業の早期安定化を進めています。 菱刈鉱山では、金価格高騰の追い風を受けながら、計画通り金量4.0トンを生産・販売しました。 海外主要操業鉱山では、モレンシー銅鉱山(米国)で採掘の不振が続き生産量が減少しましたが、セロ・ベルデ銅鉱山(ペルー)の生産量は好調を維持し、それをカバーしました。 事業開発の取り組みとして、資源メジャーであるリオ・ティント社が保有するウィヌ銅・金プロジェクトの権益30%を取得することで2024年12月に同社と条件概要書を締結し、独占交渉を開始しました。また、同社との間でより広範な戦略的パートナーシップを模索することを目的に、銅などベースメタルやリチウムについて、商業的・技術的・戦略的な機会を模索するための意向表明書を締結しました。 2024年度を振り返ると、21中計の大型プロジェクトであるケブラダ・ブランカ2プロジェクト(チリ)、コテ金開発プロジェクト(カナダ)においてフル生産に向けたランプアップを進めつつ、銅権益の拡充に向けてウィヌ銅・金プロジェクト(オーストラリア)への参画に取り組むなど、ポートフォリオの拡充と資源メジャーとのパートナーシップの強化に努めた1年となりました。 ケブラダ・ブランカ2プロジェクトでは、2024年3月にモリブデン精鉱の生産が始まり、5月に銅精鉱第一船が東予工場に到着、パートナーであるテック・リソーシズ社のマネジメントを東予工場に迎えて初荷受入式を執り行いました。その後、本プロジェクトのために組成したプロジェクトファイナンスに定められた完工条件を達成、当社債務保証が解除されるに至りました。現在はフル生産体制の確立を目指し、操業の早期安定化を進めているところです。資源事業の競争優位性■ コスト競争力の高いアセットによって構成されたポートフォリオ (資源量の多い大規模鉱床、立地の良さ、先進的な設備、コミュニティとの良好な関係性)■ 制約条件の中で効率的な操業を行える、高度な技術力■ 海外資源メジャー企業との長期にわたる信頼関係・パートナーシップ■ 国内操業鉱山で経験を積んだ鉱山技術者の組織的・計画的な育成・輩出常務執行役員資源事業本部長岡本 秀征592024年度の概況社会環境変化に適応した鉱山開発・運営を目指して資源事業
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