統合報告書2025_和文
61/160

を取り除くことによって能力増強を図っていくデボトルネッキングや、その先の拡張に向けてステップを進めます。 海外主要操業鉱山においては、このところ生産量の減少が続いているモレンシー銅鉱山の操業改善をはじめとして、事業パートナーとの連携を強化しながら安定操業と安定生産を図っていきます。 菱刈鉱山では、サステナビリティ重視の操業への移行を本格化させていきます。「山命100年」を目指して、長期操業に向けたインフラ基盤の整備を進めるとともに、採掘品位の低下を補いながら安定生産を維持するための鉱量確保に取り組んでいきます。 また、現在手掛けている探鉱案件の推進、将来自社開発・操業に取り組むための準備、ケブラダ・ブランカ銅鉱山の拡張プロジェクトやウィヌ銅・金プロジェクトへの関与を強化していきます。 さらに、ニッケル鉱源の確保に向け、カナダFPXニッケル社と進めているバプティストプロジェクトのフィージビリティスタディへの移行を促進し、また、その他カナダやオーストラリアで硫化鉱探鉱案件への新規参画を目指していきます。 新たな鉱山開発については、鉱床の奥地化・高地化・低品位化による難易度の上昇、開発費・建設費の高騰、資源ナショナリズムに基づく未加工鉱物への輸出規制や高付加価値化政策の台頭、ステークホルダーの価値観の多様化による社会的操業認可の難化などによってそのハードルは高まる一方であり、資源獲得競争がますます激化しています。 また、デジタル化や脱炭素化の急激な進展により、バッテリーメタルやレアアースなどの重要鉱物が新たな戦略的資源としてその存在感を高めている中で、一部の国では輸出管理の強化や自国産業育成のための重要鉱物の囲い込みなどにより供給リスクが顕在化しています。 これらの動きを受けて、各国が重要鉱物の確保に向けた他国との連携を強化しており、米国が主導して立ち上げた重要鉱物に係る安全保障パートナーシップ(MSP)など多国間連携の枠組みや日米豪印EU各国間の鉱物安全保障に関する個別協議・合意が進んでいますが、これらの動きは今後ますます活発化していくものと思われます。 一方、米国が貿易相手国への一律関税や鉄鋼・アルミ製品・銅などの金属への輸入関税を課すと報道されたことで、一時商品市場が混乱をきたすこととなり、世界の市場に不確実性をもたらしました。不確実性の高まりは市場の需給関係を反映しない不均衡を生み出し、資源価格のボラティランプアップフィージビリティ・スタディ最適化・デボトルネッキング参入フィージビリティ・スタディ最適化・デボトルネッキングリティが高まります。 このような情勢にあって、業界を代表する資源メジャーは、エネルギートランジションなどの変化を見据えて、従来の活動領域であった鉄鉱石やベースメタル事業全般から銅事業を強化、さらにリチウムなどバッテリーメタル事業に乗り出すなど、ポートフォリオの見直しに動き出しています。こうした状況下で資源を長期安定的に確保していくことが求められますが、そのためには、資源メジャーからビジネスパートナーとして信頼され、グローバルに協調して資源を獲得していくことが必要と考えています。 中計27事業戦略として最優先の課題はケブラダ・ブランカ銅鉱山とコテ金鉱山の確実な戦力化と考えています。両鉱山とも、次の段階として安定したフル生産の操業体制確立を着実に遂行し、さらに生産最適化に向けて阻害要因主要プロジェクトのタイムラインケブラダ・ブランカ銅鉱山25年度26年度27年度中計30以降拡張意思決定環境許認可・意思決定コテ金鉱山ウィヌ銅・金PJバプティストPJ60中計27期間の事業環境認識資源事業中計27における事業戦略

元のページ  ../index.html#61

このブックを見る