内に、使用済みLIBなどから銅、ニッケル、コバルト、リチウムを回収するリサイクルプラントを建設することを決定しました。プラントの建設は2024年度より開始し、2026年6月の完成を予定しており、設備能力(原料処理量)はLIBセル換算で年間約1万トンを計画しています。 今後予想される使用済みLIBの発生量増加への対応や、2023年8月に発効された欧州電池規則で定められたメタル回収率・リサイクル材含有率への対応を見据えた設計としています。また、CO2発生量を抑えるための独モーター・ワイヤーハーネスなどスラグリチウムリチウム化合物リサイクルプロセスリチウムイオン二次電池正極材関東電化工業高純度リチウムリサイクルプロセス湿式精錬工程高純度リチウムイオン二次電池リサイクルによる再資源化 長期的な進展が見込まれている自動車の電動化と電池の高容量化に伴い、電動車に搭載されるリチウムイオン二次電池(LIB)に用いられる銅、ニッケル、コバルト、リチウムの需要は拡大し、リサイクルによる資源循環が求められています。 当社は、2017年からLIBに含有される銅およびニッケルについて、東予工場の乾式銅製錬工程とニッケル工場の湿式ニッケル精錬工程を組み合わせたプロセスによる再資源化を実施しています。回収されたニッケルは磯浦工場で二次電池用の正極活物質に加工され、日本で初めて使用済みLIBからの"電池to電池"の水平リサイクルを実現しました。当社のLIBリサイクルプロセスは、乾式製錬と湿式精錬を組み合わせた独自の技術により、不純物含有量の多い使用済みLIBを効率的に処理することができます。 2022年には関東電化工業株式会社との共同開発により、リチウムを乾式スラグから高純度リチウム化合物として再資源化する技術を確立し、銅、ニッケル、コバルト、リチウムを水平リサイクルする新プロセス開発に成功しました。 また、2024年3月には東予工場とニッケル工場の敷地※ 前処理=熱処理等による無害化処理および破砕・選別前処理メーカー各社様電池製造中間物電池メーカー各社様使用済み二次電池(前処理※済み)住友金属鉱山二次電池自技術を織り込んでおり、カーボンフットプリント低減に向けてさらなる技術開発・最適化を進めています。 加えて、プラントの建設に併せて、使用済みLIBリサイクルのサプライチェーン構築に向けたパートナーシップ協定を、主要リサイクル事業者各社と締結しました。これを契機に、各社と協力しながら使用済みLIB集荷体制に関する検討を加速していきます。今後も当社はLIBリサイクルシステム確立に向けた取り組みを推進し、持続可能な循環型社会の実現に貢献していきます。乾式製錬工程湿式精錬工程電池材料製造プロセス電解液メーカー各社様ニッケル・コバルト混合液銅サーキュラーエコノミーへの取り組み 67製錬事業
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