統合報告書2025_和文
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活路を開く対応種類拡大や評価水準引き上げにより、開発評価サイクルを加速させ、顧客提案力を強化していきます。 また、ものづくり力の強化として、これまでトヨタ式生産システム(TPS)を導入し、在庫の削減やリードタイム短縮に取り組む生産革新活動を進めてきました。今後は、これまでの活動を足掛かりに全拠点へと展開し、より効率的なプル型生産方式を見据えた、自律的な在庫管理体制の構築を進めていきます。 また、当社は製錬事業で培った技術を活かして日本で初めて使用済み二次電池から"電池to電池" の水平リサイクルを実現するなど、3事業の技術やノウハウを有機的に連携させ、持続可能なサプライチェーンの構築とサーキュラーエコノミーの実現に向けた研究開発活動に取り組んでいます。これらの当社ならではの強みを活かし、顧客の課題解決に貢献していきたいと考えています。 正極材の開発や量産に必要な技術力の強化を進めています。具体的には、晶析・焼成・表面処理などの技術を磨き上げ、要素技術と組み合わせることで正極材の性能を最大限に引き出すことを目指しています。 また、コスト競争力を高めるため、量産技術の改善や研究開発にも継続して取り組んでいきます。さらに、2023年に出資したナノ・ワン社(カナダ)など外部の革新的技術を持つ企業とも積極的に協業し、技術開発のスピードアップを図っていきます。電池材料の生産フローのイメージ晶析原料を混ぜ、粒子を生成原料原料(年度)20252027(中計27)2030(想定)■ 次世代技術・全固体電池に向けた取り組みと LFP正極材の開発継続電池材料事業の立て直し■ 品種転換への対応■ 事業規模に合った体制再構築■ コア技術の向上と技術蓄積の活用で競争力強化、  次世代製品として位置付けているHi-Ni系NMC正極材では、これまでの連続式の生産方法から、バッチ式生産方法に切り替える予定です。バッチ式では、反応時間を細かく調整することで、より均一な粒の大きさの製品を作ることができます。しかし、反応速度を抑える必要があるため、1回の生産量が減り、全体の生産能力が一時的に低下すると見込んでいます。今後はこのバッチ式の技術開発を進め、生産性の向上を目指します。 Hi-Ni系NMC正極材や次世代製品への切り替えに伴い、生産量が減少する見込みですが、生産体制を効率的に見直し、リードタイム(納期)の短縮やコスト削減に取り組みます。また、顧客の多様なニーズに応えた正極材の開発を進めるべく、社内の試作・評価体制を強化し、試作セルの4,0003,0002,0001,000NCA、Hi-Ni系NMC生産能力(協力会社等含む)■NCA ■Hi-Ni系NMC ■その他(トン/月)5,00002014201520163,5503,5501,8501,850850850201820224,8504,8504,5504,55070中計27期間の主な取り組み次世代技術への取り組み焼成粒子を熱処理品種転換への対応材料事業(電池材料)正極材として顧客に出荷

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