統合報告書2025_和文
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 21中計では、研究開発の3大テーマとして、①カーボンニュートラル実現に向けた開発、②DX活用、③人材育成を掲げました。 21中計を振り返ると、①カーボンニュートラル実現に向けた開発については、電池リサイクルプロセス、塩湖からのリチウム選択回収やニッケル酸化鉱の水素還元技術などのプロセス開発に取り組むとともに、リチウムイオン電池正極材や振動発電用磁歪材料FeGa合金単結晶、超微粉ニッケルスラリー、人工光合成光触媒の材料開発などに取り組みました。また、②DX活用に関しては、品質予測から操業条件を最適化するための操業支援システムの開発、マテリアルズインフォマティクスや機械学習による研究開発および操業支援など、業務の効率化を進めました。さらに、③人材育成においては技術系社員研修プログラムを見直し、自らシミュレーションし改善・開発に貢献するDX人材の育成を進めました。引き続き、中長期的な視野を持ちながらもスピード感を高めつつ開発に取り組んでいきます。 新興国の台頭やサステナビリティ課題への対応といった社会的要請の拡大、さらにはAIの急速な進化といった外部環境の変化を踏まえ、研究開発の側面から当社のものづくり力を一層強化していきます。 中計27期間においては、サステナブルな社会に必要とされる新たな低炭素製錬技術や低炭素貢献製品の開発に挑戦するとともに、事業部門と連携しながら既存製品やプロセスの改善にも貢献していきます。さらに、先進的な分析評価技術や数理解析手法の導入を通じて、当社の技術力向上を先導します。また、DXをさらに力強く推進していきます。 2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向け、当社は低炭素貢献製品の開発に取り組んでいます。EVに搭載されGHG排出削減に貢献する次世代リチウムイオン電池の全固体電池用正極材や、水素社会において水素を製造する際に欠かせない水素製造触媒材料などの開発を推進しています。常務執行役員 技術本部長元木 徹研究開発費の推移(億円)400300200100015409中計12中計15中計18中計21中計中計27(計画)30618319816616632577環境認識と中計27の注力テーマについて21中計における研究開発の総括研究開発低炭素貢献製品の開発当社の持続的成長のため新規製錬プロセスおよび新商品の開発を強化

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