3.データ活用 全社的なデータ活用の高度化を目指し、これまで各部門に分散していたデータを横断的かつ多角的に活用できる「データ活用基盤」の構築を進めています。金属価格や為替の急激な変動、国際情勢の不確実性が高まる中、複雑化する経営環境に対応するため、データに基づく客観的な議論や判断を推進し、従来の経験や個人の判断に頼るリスクの低減を目指します。また、従業員誰もがあらゆる業務でAIや高度なデータ解析を活用し、新たな気づきの発見や業務効率化を実現できるようにします。 2025年8月には初期基盤の運用を開始し、2027年度末には主要な基幹システムとのデータ統合を完了する計画です。さらに、データマネジメントと利活用支援を専門とするチーム(DMO:Data Management O■ce)を設置し、全社的なデータガバナンス体制を強化しています。これにより、システムごとに重複して登録されていたデータや、矛盾のあるデータを整理し、正確で信頼性の高いデータ運用を実現します。2.AI活用 社内ネットワーク内で安全に利用できる環境を構築したうえで、2023年11月より当社グループ全従業員向けに生成AI(ChatGPT)の利用を開始しています。最新機能や有用なプラグインの速やかな実装、社内向けの機能紹介に加え、セミナー開催やコミュニティ運営を通じた活用事例の共有などにより、積極的に利用を促進しています。月間総プロンプト数、平日1日平均ユニーク利用者数などのモニタリング指標、また、定期的なアンケート結果からも、日常の業務での活用が定着しつつあることが確認できています。さらに、情報収集や言語翻訳、プログラミング、文書作成、データ分析などにおいて生成 AIの利用を通じて効率化された時間の合計は、2024年1月に対し2025年6月には約24倍となっており、この指標も継続的に増加しています。 生成AIの有用性はますます高まっていくことから、当社グループが生成AIによって創出を期待するビジネスバリューについて、生成AIビジョンおよびその実現に向けたロードマップの策定を進めています。0(年/月) 2024年度に実施した効果検証のためのトライアルでは、リアルタイムに近いタイミングでの生産状況の把握ができるようになり、また、従来半日かかっていた月次の実績報告資料作成も数分で完了するなど、業務の大幅な効率化と高度化が確認できました。今後は市場データや経済指標などの外部データやAIとの連携も進め、さらなる業務の高度化を目指します。 さらに、このデータ活用基盤の整備は、単なるITシステムの導入にとどまらず、若手社員のデータ活用スキルの向上や、情報をオープンに共有する企業風土の醸成、デジタル技術を活用した新しいビジネスモデルへの進化にもつながっています。今後も継続的な改善や社員への教育を通じて、従業員一人ひとりがデータを活用できる環境を広げ、会社全体でデータを活かした経営(データドリブン経営)の実現を目指していきます。データ活用基盤×データ活用支援ChatGPT利用状況推移人材育成BI/AI データ分析ツール全社統合DBデータ統合・データ提供マネジメント(人/日)平日1日平均ユニーク利用者数(左)月間総プロンプト数(右)9007506004503001502024/12024/22024/32024/42024/52024/62024/72024/82024/92024/102024/112024/122025/12025/22025/32025/42025/52025/60100,00080,00060,00040,00020,000(件/月)120,00084デジタルトランスフォーメーション(DX)
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