統合報告書2025_和文
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|重要課題|人的資本経営 住友金属鉱山グループは、6項目のマテリアリティの中でも「人的資本経営」を全ての基盤と位置付けています。当社の中核事業である鉱山開発と製錬は、人類の発展に不可欠な資源を安定的に供給してきました。今後もカーボンニュートラルの実現など、持続可能な社会の構築に貢献し、企業価値を向上し続けるためには、「人」を資本と捉え、その価値を最大限に引き出すことが、■であると考えています。 当社の資源事業は、探鉱から鉱山開発・操業、そして閉山まで、非常に長期にわたるプロジェクトを展開しています。別子銅山の開坑以来、国内の保有鉱山である菱刈鉱山や海外鉱山での豊富な経験を活かし、300年以上にわたり鉱山開発のノウハウを蓄積してきました。菱刈鉱山を技術者育成の拠点とし、海外鉱山に技術者を派遣することで、探鉱、鉱山開発・操業のプロセスを担う人材を計画的に育成しています。これは、当社が長期的視点で人材投資を行い、持続的成長を実現してきた結果です。製錬事業においては、これまでの歴史の中で自然環境に与える影響が大きな課題でしたが、環境負荷を低減するための革新的な製錬技術の開発を担う人材の強化に取り組んでいます。また、材料事業では、低炭素社会に貢献する製品開発や生産を担う多様な人材の確保と育成が不可欠です。 資源、製錬、材料のいずれの事業においても、安定的な人材の確保・育成が成長の前提です。特に日本国内では少子高齢化が進む中、従来の同質的な組織から脱却し、自由闊達な組織風土のもとで多様な人材が協働、挑戦し、イノベーションを生み出す企業文化が求められています。 2030年に向けて、当社は「多様な人材が集い、成長し、活躍できる企業」を目指します。その実現のため、持続可能な人事・組織基盤の構築と、事業戦略に直結した人材育成を推進しています。事業環境の変化が加速する中、当社は長期ビジョン「世界の非鉄リーダー」の実現に向けて、重要課題である人的資本経営の KPI を設定し、企業文化や組織・人事機能の進化を定量的に管理しています。各KPI は測定可能な数値目標とし、PDCAサイクルで継続的な改善を図っています。特に新たに導入した「エンゲージメントスコア」は、従業員と会社の相互理解や信頼関係を数値化したものであり、このスコアの向上・維持に注力し、持続的な企業価値向上を目指していきます。執行役員 人事部長矢野 三保子88多様な人材が活躍する組織で 企業価値向上を目指す当社の事業を支える人材を育成経営理念に基づく「人的資本経営」で成長戦略を推進

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